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脳腸相関。健康は腸から作る!乳酸菌、腸内フローラが熱い。

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最近、「機能性食品」という言葉を耳にする機会が増えましたよね。


特に、ヨーグルトなどの乳製品ではいろいろな種類の商品が出ているようです。テレビでも、乳酸菌、腸内フローラなどはしょっちゅう特集が組まれていますし。


医学的にも、「腸」の重要性に非常に関心が高まっています。それは「脳」と「腸」の密接な関係が科学的に証明されてきたからです。


その密接な関係を「脳腸相関(のうちょうそうかん)」といいますが、非常に興味深いのでまとめてみました。


脳腸相関

「脳」と「腸」。一見すると、それぞれの場所も離れており、お互いに何の関係もなさそうな臓器ですよね。それぞれの臓器の機能も全く違いますし。


近年、この脳と腸が密接に関係していることが分かってきました。


脳⇒腸だけでなく、腸⇒脳にもさまざまな影響があり、双方向性な点が非常に興味深いのです。


これを「脳腸相関」と呼ぶわけですが、まだまだ十分な解明はされていないですが、現在分かっている関係性を調べてみました。




腸と免疫機能

ヒトの体には、数百兆個の細菌が常に存在しています。重さにして約1~2kg。


皮膚を含め体内のあらゆる場所に存在しますが、その90%が消化管(腸など)に生息しており、腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)と呼ばれています。


腸内細菌叢と聞くと、なんだかこむずかしいイメージですが、テレビでよく聞く「腸内フローラ」は腸内細菌叢と同じ意味です。


あと細菌と聞くと、なんとなく人体に悪影響があるんじゃないかと思ってしまいますよね??最近の研究で腸内細菌が健康や正常な生理機能にも重要な役割を果たしていることが裏付けられています。腸内細菌って良い細菌たちなんですね。


またヒトの血液中の小分子量の36%が腸内細菌叢が関与しているとの報告もあり、その重要性・影響力がどのくらいかというのはなんとなく想像できますね。


ヒトの免疫システムの70%は腸管に存在するので、腸内フローラが免疫に重要な役割を果たしていても不思議ではありませんよね。細菌と共生して、仲良く生活することが健康の秘訣なのだと思います。

ストレスと腸

さまざまな研究から、人は怒り、不安、恐怖などの心理的ストレスにより腸内細菌が変化することが示されています。


NASAの宇宙人飛行士の健康維持のための研究でも、ストレスは腸内での有害菌の増加、有益菌の減少に作用したとういう結果が得られています。


ストレスの多い人が、なぜ風邪などの感染症になりやすいかということを、腸内細菌のメカニズムから説明することができるということですね。


またストレスにさらされると、脳から上部消化管(食道や胃など)の運動を抑制する指令が送ります。これはなんとなく経験がありますよね。


胃もたれ・胃痛・食欲不振なども、胃の機能が抑制されたために起きていることは分かりやすいと思います。


ストレスは下部消化管(腸)にも影響し、腸に対しては運動を亢進する指令を脳が送ります。腸の運動が必要以上に亢進されると、下痢などの腹部症状が見られてしまいます。


ストレスの影響って本当におそろしいです。

腸から脳

脳腸相関は、脳⇒腸だけでなく、腸⇒脳にも影響がある、双方向性の関係だと最初にお伝えしました。


腹痛など腸自体の内臓の痛みも、痛み自体を認識するのは結局「脳」ということになります。転んで、膝を擦りむいたとしても、膝自体で痛みを認識するのではなく、脳で認識するのと一緒です。


腸などに、明らかな病変(例えば炎症や潰瘍)がないにも関わらず、腹痛・下痢などの症状が持続することを機能性消化管障害と診断されます。


この病気では、健常者では痛みと認識しない程度の腸への刺激でも痛みと認識してしまう、いわゆる内臓の知覚過敏のようなことが起きていることが分かっています。


機能性消化管障害の患者では、不安・うつ・神経質との関連があるとされており、慢性的な痛みの悪循環によりうつ傾向になってしまい、QOL(生活の質)の低下が懸念されています。




資生堂サプリ

脳腸相関でいろいろ調べていると、なぜか「資生堂」のワードが出てきたので、検索してみると。


脳腸相関をコンセプトにしたサプリメントを2018年から販売しているみたいですね。その名も「N.O.U」(エヌオーユー)。


さすが資生堂さん。目の付け所がいいと思います。もしかしたら私が知らないだけで、他の企業も出しているのかもしれませんが。


気になる方は調べてみてください。生活スタイルに合わせて数種類販売しているみたいです。


まだまだ脳腸相関のすべてがわかっているわけではないですし、腸内細菌とヒトとの関係もものすごく複雑な一部分が解明し始めたに過ぎないのかと個人的には思っています。


ただ、この分野の研究が進めば、まだまだ健康に役立つメカニズムがいろいろと判明するのかなーと、非常に興味深いです。


リハ栄養を勉強してたら、たまたま目についたワードが脳腸相関だったのですが、ヒトの体って奥が深いですね。