リハスタ

   理学療法士による知っとくとためになる情報発信

リハビリ分野の歩行支援ロボットについて。知識のup to date。

2020年に東京オリンピック開催が予定されています。以前からロボット産業の技術革新はすさまじいものがありましたが、オリンピックも重なり、さらにロボット産業の加速が見られるんじゃないかと思っています。


リハビリの分野でも近年、歩行動作を支援するためのロボットが多数開発され、すでに臨床で導入されています。


私が、最初に歩行支援に関するロボットを目にしたのは、5~6年前でしょうか。歩行支援ロボットの先駆けとなったCYBERDYNE社のHALのデモを当院に来て行ってもらった記憶があります。


まだまだ駆け出しの若手理学療法士でしたので、ロボットに頼らず自分の手で患者を良くしたい、ロボットなんで邪道だ、みたいな考えを持っていたような気がします。


今でももちろん自分の手で患者を良くしたい気持ちはありますが、早期にロボットで歩行するメリットのエビデンスが出てきているようですね。


なのでいつまでも、ロボットなんて遠い存在、、、なんて考えではまずいのかと思ってきています。車の自動運転も、すぐ目の前にきているぐらいですからね。


今のロボット産業の勢いでは、遅かれ早かれ何かしらの歩行支援ロボットを導入している病院が増えてくるのかなと思っています。なので、導入が早いか遅いかの違いになるので、いずれ導入するのであれば、少しでも先行したいものです。


まだまだ具体的なプランは持ってはいませんが、今後のために少し現在の歩行支援のロボットについてまとめたいと思います。


HALはご存知の方も多いと思いますが、他にも数種類臨床で使われています。ご存知ない方は、この機会に知識のアップデートに役立てていただけたらと思います。

HALについて


CYBERDYNE社のHAL(Hybrid Assistive Limb)、やはり一番有名だと思います。公式ホームページを見ると、世界初のサイボーグ型ロボットHALと謳われています。


確かに、最初のインパクトはかなりすごかったですね。ただ保険適応となったのは2016年からだそうです。やはり時間がかかるんですね。


対象疾患は、脊髄性筋萎縮症、球脊髄性筋萎縮症、筋萎縮性側索硬化症、シャルコー・マリー・トゥー ス病、遠位型ミオパチー、封入体筋炎、先天性ミオパチー、筋ジストロフィーとなっており、難病のみ適応となっています。


現在、脳卒中患者での臨床試験も行われており、今後の改定では脳卒中も入ってくるかもしれませんね。


HALの機能は、背部に設置したセンサーで脳からの生体電位信号を感知し、装着者がどのような動作をしようとしているのかを認識します。認識した動作に対して、パワーユニットをコントロールして動作をアシストするという機能になっています。


Honda歩行アシスト


Hondaもこの分野に参入しています。どうしてもHondaと聞くと自動車メーカーとしての印象が強いですが、そもそもHondaはASIMOなどの開発もおこなっており、そこで培った歩行理論をもとに、Honda歩行アシストを研究・開発したようです。


Honda歩行アシストは、「倒立振子モデル」に基づく効率的な歩行を サポートする歩行訓練機器です。


歩行時の股関節の動きを角度センサーで検知し、制御コンピューターがモーターを駆動します。それによって股関節の屈曲による下肢の振り出しの誘導と伸展による下肢の蹴り出しの誘導を行います。



このHonda歩行アシストに関しては、デモ体験会のようなものが開催されていたので参加して、実際に装着した経験があります。


先ほど挙げたHALなどとは違い、あくまでアシストの要素が強いタイプですね。なので、ある程度の下肢の支持性があることが前提となります。設定や調節自体は、HALに比べるとシンプルなものなので容易に行えました。


現在は、体重支持型歩行アシストのタイプも研究されているようですね。ただ、体重支持型といっても、使用者の対象は自力での歩行が可能な方との注意書きがあるので、HALのような支持力はないのかもしれません。

トヨタのGEAR


お次は同じ自動車メーカーのトヨタです。こちらも参入しています。その名もGEAR!


名称の由来は、Gait Exercise Assist Robotの略で、藤田保健衛生大学と共同で研究・開発を行っているようです。


先ほどのHALやHonda歩行アシストとはまた異なっており、ロボットを含めたかなり大掛かりな設備のような印象です。トレッドミル、長下肢型ロボット、安全懸架、ロボット免荷、全面モニタ、操作パネルで1セットになっているので、導入するにはそれなりのスペースが必要ですね。


長下肢装具型ロボットの足底荷重センサで歩行周期を判断し、立脚期には膝伸展を補助し、遊脚期には膝屈曲と振り出しを補助することができるようです。


長下肢装具の利点である立脚期の支持性と短下肢装具の利点である遊脚容易性を備えたものですね。

ACSIVE


これまた、かなり今までのものと違うタイプになります。無動力歩行支援機ACSIVEです。


無動力なのでロボットとはまた違いますが、せっかくなので紹介します。バネと振り子の動きが作用し、足の振り出しをアシストするものになります。


下肢の支持性に関してはまったく影響がないので、あくまで振り出しのアシストのためのものです。イメージとしては、T-supportのようなイメージかと思ったりします。


他にもまだまだ探せば見つかりますが、主だったものはこのような種類だと思います。


今後も、どんどん新しいタイプの開発が行われるでしょうから、定期的に知識をアップデートしなければなりませんね。


本日も最後までお付き合いありがとうございました。

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